8.メゾネット

一戸建てとマンション、共に売買物件、あるいは賃貸物件であるという条件下であれば、本質的な部分で一番の大きな違いは何だろうか?

たとえば、よくマンションは全ての部屋が同じフロアにあるため(これを「フラットタイプ」と呼ぶ)、部屋間の移動が楽だというユーザーがいる。もちろんその条件にはデメリットもあって、3LDK4LDKあたりの部屋をワンフロアに構えようとすると、よほどの面積が必要となるだろう。

対して一戸建ては土地が狭くても、23階建てにすることで、マンションであればありえない部屋数を確保することができる。その面でどちらを選ぶかは、個人の志向次第だ。

……とは完全に言いきれない物件がこの世には存在する。その名も「メゾネット」あるいは「複層住宅」。一住宅の中に内階段があり、一戸建てと同様に2階以上の複数の層を生み出すことができる集合住宅のことだ。

街中で見られるメゾネットは、だいたいアパートレベルの集合住宅を複層にしたもの。そのぶん賃料はリーズナブルでありながら、複数の部屋がある。つまりアパートでありながら一戸建てのように利用できるお得物件なので、居住者は結婚し子供が生まれたばかりの家族が多い。特に地方へ行けば、その傾向は顕著だ。

一方で、高級賃貸物件にもメゾネットタイプはある。というよりフラットタイプよりメゾネットタイプのほうが増加しているぐらいで、このメゾネットタイプこそ一般的な賃貸物件と高級賃貸物件の差が明確に分かるものだといっても過言ではない。

高級賃貸物件のメゾネットタイプのほとんどは、デザイナーズマンションだからだ。

デザイナーズマンションは、ただ単にオシャレな造りになっているだけではない。十分すぎるほどの機能性を備えた、オシャレな物件であることは、すでに説明しているとおり。そんなデザイナーズマンションのメゾネットタイプを代表する設備は、螺旋階段だろう。

螺旋階段は縦に回りながら降りられるよう作られているので、真っ直ぐに降りる通常の階段よりスペースを必要としない。その空間を他の用途に使うことができるようになることで、戦隊シリーズやウルトラマンシリーズの基地でも使用されているほど、有用性は高い。

滝の中から車を出さずとも、螺旋階段を降りるだけで秘密基地気分を味わうことができる男性諸君は多いはず。同じように男の憧れである甲斐バンドやBLANKY JET CITYは、螺旋階段を「ぐるぐる回りながら転がり落ちていくもの」と形容したが、階段は何も降りるだけのものではない。

メゾネットタイプのデザイナーズマンション、それは男が未来へと駆け上がっていく螺旋階段である。

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