25.カウンターキッチン

「カウンターキッチン」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、こんな光景だろうか。——手際良く料理を作りながら、リビングで遊ぶ子どもを見守る優しいお母さん。その子どもの傍らでは、お父さんが新聞を読んでくつろいでいる。幸せな家族の日常だ。

だが今日敢えて、筆者は全く別のアプローチから、カウンターキッチンについて述べたい。それは「カウンターキッチンは究極の恋愛ツールである」ということである。前回の「システムキッチン」では、クリエイティブな場所としてのキッチンにフィーチャーしたが、今回は“モテ”の観点から考えていきたい。

なぜカウンターキッチンを活用するとモテるのか、今ひとつピンと来ない方もおられるだろう。まずは順を追って、カウンターキッチンの定義から見直していこう。

通常、カウンターキッチンとは、ダイニングとの間に調理カウンターを設置し、そのカウンター越しに料理の受け渡しが出来るタイプの台所を指す。対面式キッチンとも言われる。

カウンターキッチンの中でも、ダイニング側に造作壁やキャビネットで間仕切りを作ったタイプを、セミオープン型と呼ぶ。ダイニングとの間に窓を作るような形になるので、キッチンが丸見えになるのに抵抗がある場合はお勧めだ。

これに対して、壁が全くないオープン型というタイプもある。オープン型はさらに細分化されている。カウンターの片側が壁に接しているのがペニンシュラ(半島)型。両面とも壁に接しない、完全に独立したカウンターがアイランド型とされている。

人気料理番組『Moco’s キッチン』で、速水もこみち氏が腕を振るう、お洒落なカウンターキッチン。あれはまさにアイランド型である。

開放的な形状のアイランド型は、キッチンが華やかになり、人が集うのにもピッタリだと言われている。Moco’s キッチンも、白を基調としたあのオープンキッチンがあってこそ、もこみち氏のイケメンぶりと必殺技“追いオリーブ”が冴え渡ると思うのだが、いかがだろうか。

そう、つまりカウンターキッチンは、料理をする人の姿を引き立てるパワーを持っているのだ。人間が真剣に何かをしている様は、約3割増で魅力的に見えるものだが、カウンターキッチンなら、それが正面からよく見える。

料理している女性をカウンターキッチン越しに眺めるも良し、料理している自分の魅力を、カウンターキッチン越しに存分にアピールするも良し。この際、作るのは男でも女でも、料理が上手でも下手でも良いのだ。鮮やかな手つきを披露するのも良いが、下手で手際が悪ければ、「何か手伝おうか」なんてコミュニケーションも生まれるのだから。

そういえば、バブルの頃に数多の男性がお世話になったグルメガイド『東京いい店やれる店』が、先般、『新東京いい店やれる店』となって復活したそうだ。しかし筆者に言わせれば、究極の「いい店やれる店」は、自宅のカウンターキッチンなのである。

カウンターキッチン。それは何が起こるかわからない、一夜限りのステージだ。今、恋のドラマの幕が開く——。

 
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