30.角部屋

昔も今も、マンションで人気のある部屋と言えば、「角部屋」である。これは、マンションという形式の住居ができて以来、変わらない普遍的な価値観のようだ。言うまでもないが、窓の多さ、日当り、風通しと角部屋のメリットは多く、その分、家賃もやや高く設定されていることがほとんどだ。

根強い角部屋ニーズに応える形で、「全戸が角部屋」というマンションも造られている。設計上、戸数の少ないマンションに限られるが、どの部屋に入居しても通風や採光の良さが期待できるので、“ハズレ無し”という訳だ。

また、角部屋は一番奥に配置されているから、廊下の人通りが多くなることもなく、静かでプライバシーが保たれる、というメリットを挙げる人もいる。

つまり角部屋は、高級賃貸マンションを選ぶハイクラスな人々の中でも、特に最高級の物を求める人に選ばれる、スペシャルグレードな部屋なのだ。

それにしても、人間はなぜ「角」に惹かれるのか。もしかすると人は、角に落ち着きや居心地の良さを見出す習性があるのかもしれない。

オセロをすれば、白も黒もこぞって角を取ろうとする。下手をすると、ゲーム本来のルールを忘れ、相手の石を多く引っくり返すことより“角取り合戦”に熱中してしまうこともあるほどだ。これも、「角は絶対に覆されない安全地帯」という意識の表れなのだろうか。

似たような例を他に挙げるなら、電車の席取りだろうか。空いていても混んでいても、電車の座席はなぜか角から埋まっていく。人に接する面積をなるべく少なくしたいというのは、ひょっとすると人間の防衛本能なのかもしれない。だとすれば、角部屋の人気が衰えることがないのも当然である。

筆者が“角”でもう1つ連想してしまうのは、サントリーの「角ハイボール」である。少し前にCMキャラクターが井川遥さんに変わったが、これが筆者的には、どストライクだ。もちろん先代の小雪さん、菅野美穂さんも良かったのだが、井川さんの美貌と色気と清潔感は、まさに絶妙なキャスティングだと思うのである。筆者はここに断言しよう。この世に井川遥嬢がハイボールを作ってくれる店があるならば、必ず3日と空けぬ常連になることを。

……決して脱線した訳ではない。あくまで “角”と“人気”の関係性の話である。高級マンションの角部屋で、井川さんのような最高の美女と酒を酌み交わせたら、男としては無上の喜びだ。例え夢物語に思えようとも、男とはその夢を追わずにはいられない生き物なのである。

高級賃貸マンションの角部屋に住むこと、それは現状に甘んじず、常に妥協を許さない男の象徴なのである。

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