26.シューズインクローゼット

「玄関は家の顔」とよく言われる。要は玄関が家の第一印象を決めるというわけだ。『人は見た目が9割』なんて本があったが、イメージというのは第一印象でほぼ決まるようなもので、後から覆そうとしてもなかなか難しいようだ。(ちなみに、少し前に『伝え方が9割』というベストセラー本もあった。見た目も9割で伝え方も9割だと、完全に計算が合わないではないか。我々は一体どうしたらいいのだ。)

というわけで、顔も玄関も、まずは清潔感が第一条件だ。毎日顔を洗って清潔に保つように、玄関も日々美しく保たれなければならない。

しかし家族で暮らしていると、そう思い通りにいかないこともある。例えば4人家族なら、今日各自が履いた靴×4、昨日履いた靴×3、ちょっと近所まで行く為のサンダル×2、新聞紙を突っ込んで乾かしている子どもの靴×1、合計で10足の靴が玄関に並ぶ、等という恐ろしい光景にならないとも限らない。これでは、どんなに高級感溢れる大理石の玄関でも台無しというものである。「今日は、随分お客さんがたくさん来てるね」と妻に皮肉の一つも言いたくなる。

こんな、下手すると家庭不和にも繋がりかねない状況の救世主が、「シューズインクローゼット」だ。端的に言えば「玄関に直結した、靴のまま入れるクローゼット」で、最近は多くの高級賃貸マンションに取り入れられるようになった。

いまや、玄関の内装にマッチする洒落た下駄箱は当たり前。シューズインクローゼットは、さらに一歩先を行く収納なのである。

普通の下駄箱との決定的な違いは、靴類以外の物も収納できることだ。傘、ゴルフバッグ、スキー等スポーツ用品の保管、来客用のコート掛けなど、利用法は様々だ。特に小さな子どもがいる家庭では、ベビーカーや外遊び用のおもちゃを収納するのに重宝されているようだ。

要するに使い方次第で何でも収納できてしまうから、玄関が散らかる理由も無くなり、家庭が不穏な空気になることもない。高級賃貸マンションの格調高い玄関が、いつもクリーンなまま保たれるというわけだ。

ところで、ナイキが映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part II』に登場する「自動で靴紐が締まるシューズ」の販売を予定しているらしい。2015年の発売予定だそうだが、こんな“未来の靴”を手に入れたら、ちょっと人に自慢したくなりそうだ。

ちょっとだけ誰かに見せびらかしたい物は、シューズインクローゼットに仕舞い込まず、玄関に出しっ放しというのもアリかもしれない。他に余計な物が出ていない分、華々しく目立ってくれるというものだ。

シューズインクローゼット、それは隠したい物だけを隠し、玄関という“顔”を美しく輝かせてくれる、腕利きのメイクアップアーティストのような存在なのである。

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