6.フィットネスクラブ

ここ数年「健康ブーム」が続いている。雑誌でも老舗の『Tarazan』のほかに『Number』の姉妹誌『Number Do』、あるいはサイクリングやランニングの雑誌が溢れているほど、現在はフィットネス系のビジネスが業績を伸ばしているようだ。

高級賃貸でもフィットネスジムが併設されている物件もあるが、さすがに日本国内では希少だけに、フィットネスクラブの存在を確認しておきたい。

まずウェイトトレーニングの聖地ゴールドジム。大型店舗は首都圏でも郊外に多いが、都内では渋谷、表参道、原宿、銀座、大井町＆大森と、高級賃貸物件が集中する地域をしっかりと抑えている。

“気軽なフィットネス”を謳うティップネスは、『ティップネス丸の内スタイル』と『ティップ.クロスTOKYO 渋谷』なる新規事業をスタートさせた。

国内最大ともいえる、全国160カ所のスポーツクラブネットワーク・セントラルスポーツも、市区町村別でみるとクラブ数最多は世田谷区の5カ所である。

目黒区や世田谷区に電車を走らせる東急グループには、『オアシス』という独自のスポーツクラブがあるほど。同時に、これまで紹介したとおり各高級賃貸物件の地域には大きな公園があり、個人でランニングし放題だ。

長島☆自演乙☆雄一郎ほか格闘技王者のフィジカルコーチを務める古家政吉トレーナー（株式会社ナレッジスポーツ・HOGUMI代表）の著書『細マッチョ肉体改造法』によれば、“細マッチョ”は20代女性の好感度第1位であるという。確かに現代女性の憧れ――ジャニーズと韓流スターは、気がつけば上半身裸になっていたりする。

とはいえ、そんな肉体を持っていること、あるいはトレーニングしていることを殊更にアピールしていてはダメだ。古来より女性が好きな漫画キャラクターは、『ドランゴンボール』ならベジータ、『幽☆遊☆白書』は飛影、『ONE PIECE』でいうとロロノア・ゾロ。男なら黙ってトレーニングし、黙って細マッチョにならなければならない。

仕事はバリバリ、住んでいるのは高級賃貸物件、仕事の前後に黙々とトレーニング。これだけであなたはもう島耕作である。夫は『島耕作』を作り、妻は『東京ラブストーリー』を描く。テレビドラマ化された場合、もちろん赤名リカに「××××しよっ」と言われたら、男ならやるしかない。さらにビートルズも呼べて、魔法も使えれば、気がつけばヤングから社長になっていることだろう。

そんな弘兼憲史と柴門ふみ夫妻の自宅は作業場を兼ねている。いわばSOHO可物件だ。

高級賃貸とフィットネスクラブ、それは男の憧れにたどり着ける道である。