10.楽器可

人にはそれぞれ趣味がある。趣味が趣味として続くか、あるいは趣味を仕事とするか、などなど趣味の有り様もまた、人によって異なっているはずだ。

著書『大人養成講座』でお馴染みのコラムニスト石原壮一郎は、自身のウェブサイト「大人のお悩み教室」にて、仕事と趣味の関係をこう語っている。

「仕事を楽しむために趣味を利用し、趣味を楽しむために頑張るというサジ加減が重要。目先の誘惑に負けてどちらに逃げ込んでも、どちらの魅力も味わえない」。

では、世の日本男性がどんな趣味を好んでいるのかというと、各ランキングサイトを眺めてみれば、必ずといっていいほど「音楽鑑賞」「映画鑑賞」「読書」が上位を占めている。そんななか、ジワジワ各世代で順位を上げてきているのは、「写真撮影」と「楽器演奏」だ。

写真に関しては、デジタルカメラの普及で誰も彼もが手軽に一眼レフを購入、利用することが可能になった。書店でも一般ユーザー向けのカメラ雑誌は増える一方である。

「楽器演奏」は、上位3つに負けないほど、趣味としては永遠のスタンダードだと思うのだが、なぜか上位に食い込むことができない。理由は簡単だ。手軽に楽器を演奏できる場所が、特に首都圏にはほとんど存在しないのだから。

写真もフィルム時代なら自宅に暗室を構える必要もあったが、このデジタル時代にそんなものは不要だ。しかし楽器は、どうしても防音設備の整った部屋が必要となってくるのだが、一般的なマンションやアパートでは到底不可能。なにせCDを大音量で聴くことも叶わない首都圏の住宅事情が、我々の前に高い壁としてそびえ立っている。

そこで高級賃貸物件だ。「楽器可」といった項目が条件や設備として掲載されていたら、その物件はあなたの趣味を実現してくれる場所となる。フロア全体が防音設備を整えているか、あるいは一部屋だけ完全シャットアウト状態なのかは物件によって異なるものの、いかなる種類の楽器であれその演奏を趣味とするならば、「楽器可」物件に住むしかない。

こうした「楽器可」物件を覗いてみると、とある共通点に気付く。その多くは「SOHO可」物件だ。つまり、自宅にスタジオを構え、楽器を使って曲を作り、大ヒットを生み出せば名プロデューサーになれる可能性を広げてくれるという、嬉しい心遣いが見えてくる。

世はアイドルブーム真っ盛りで、今後もますますプロデューサーの存在は重要視されてくるはず。あなたは第2AKBを生み出したくはないか? 秋元康は作詞家だけど。

楽器可マンションでプロデューサーを目指すこと、もしかしたらアイドルとの結婚へ繋がっているかも……まさに男の生き様だ。

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