18.閑静な住宅街

「閑静な住宅街」——この言葉が持つ甘く切なくハイソな響きに、誰しも一度は憧れたことがあるのではないだろうか。

成城、広尾、白金、田園調布……最もよく連想されるのは、この辺りか。大通りから一本入ると、車の少ない静かな通り。犬の散歩、赤ちゃんを乗せたベビーカー、ゆったりとお互いを労り合いながら歩く老夫婦……すれ違う人々は、皆穏やかで幸せそうだ。愛する家族と、いつかはこんな街に住みたい。そんな風に思って毎日汗水垂らして働くお父さん方は、きっと多いに違いない。

一方、“お父さん”ではない読者にとっても、「閑静な住宅街」の魅力は大きいはずだ。若い頃はアゲアゲのイケイケで、ブイブイ言わせていた人間も、それなりに年齢を重ねてくると、やはり住む場所には落ち着きを求めるようになってきたりする。外食と言えばフレンチ・寿司・焼肉・ステーキ・イタ飯ばかりだったのが、いつの間にか、銀シャリと塩鮭と赤だしの味噌汁の美味しさに、ほっとため息をつくようになる現象と似ている。

つまり、社会という戦場で毎日終わらない闘いを続ける戦士たちは、せめて衣食住に心のオアシスを見出したくなるということだ。おお神よ、闘う者にこそ癒しと休息を与えたまえ。

翻って、賑やかな繁華街や、ターミナル駅の近くに住む便利さも捨て難い、という気持ちも理解できる。毎日の通勤が必要な人間なら、なおさらの話である。

そして実は、都心の利便性と郊外の静寂、どちらも諦めきれない欲張りな貴方にお勧めしたい物件こそ、高級賃貸マンションなのである。なぜなら、たとえ立地が騒がしい街の中でも、建物の中に一歩入れば、そこにはまさに“閑静な”空間が広がっているのが、高級マンションだからである。シックな玄関ロビーに内廊下、瀟洒なラウンジ、絶妙に行き届いたサービスを提供してくれるコンシェルジュ……。何を隠そう、人間が「閑静な住宅街」に求める上品さと居心地の良さは、高級賃貸マンションに凝縮されているのだ。

俳優の西島秀俊氏が、自宅の家電への愛を熱く語って美女にドン引きされる、という設定のパナソニック「エコナビ」のCMを見たことがあるだろうか。高層エレベーターで自宅へ向かう描写があることから、あのCMで西島氏が住んでいるのは、おそらく高級タワーマンションだと筆者は睨んでいる。「ウチの家電が素敵過ぎる！自宅サイコー！」と熱弁するデキるイケメンが住んでいるのは、タワーマンション。これはある意味、高級マンションのスタイリッシュさと快適性を象徴していると筆者は勝手に思っているのである。

高級賃貸マンション、それは何処に立地していようと、閑静な住宅街の魅力を内包する“安息の地”なのである。戦う男達に幸あれ。