23.ウォークインクローゼット

ファッションに興味がある方もない方も、ぜひ有効活用して頂きたい高級賃貸マンションの収納スペース。それが「ウォークインクローゼット」である。

ウォークインクローゼットとは、文字通り“歩いて入れる”タイプの収納場所を指す。頭文字を取って、WICと表記されることも多い。

複数の部屋から出入りできるタイプは「ウォークスルークローゼット」という言い方をすることもある。基本的な利用法はウォークインクローゼットと同じだが、家族が共有で使う収納場所なら、ウォークスルーという形にするのも便利かもしれない。

ウォークインクローゼットは、もちろん、衣装持ちの人にとって最適の収納である。スーツ、パンツ、コート等が皺にならないよう吊るせるスペースが十分にあるし、使っていたタンスや引き出しを、丸ごとそのままウォークインクローゼットの中に収めることも出来る。こういったスペースの広さはもちろんなのだが、ファッション好きにお勧めするポイントはそれだけではない。

収納方法に工夫することで、ウォークインクローゼットは自分だけのブティック……今風に言えば「セレクトショップ」風に出来るということだ。

お気に入りのバッグ、小物やスーツ等を、“見せる”収納として配置。セーターやシャツをショップ風に畳んで、棚に重ねておけば……そこはもう、規模こそ異なれ、新宿伊勢丹のメンズ館にも引けを取らない、ハイセンスな空間が出来上がるのだ。『LEON』や『UOMO』の編集者も取材に訪れるのではないかと思うオシャレ上級者ぶりである。

では、ファッションにあまり興味がない人には、ウォークインクローゼットは無縁かというと、決してそんなことはない。ウォークインクローゼットには、他にも現実的なメリットがあるからだ。

まず、衣類の収納が一ヶ所にまとまるおかげで、寝室がスッキリするというメリットがある。もう1つは、衣替えが簡単になるということ。十分なスペースのあるウォークインクローゼットなら、季節毎にしまい込んだ衣装ケースから衣類を引っ張り出す手間がなくなる。さらに収納上手な奥様は、吊るした洋服の奥と手前を入れ替えるだけで衣替え完了、というスゴ技も発揮するそうだ。非常に合理的である。

有名な話だが、スティーブ・ジョブズは、あのトレードマークの黒いタートルネックに並みならぬこだわりを持っていたらしい。ISSEY MIYAKEのロングセラーのデザインに、素材やサイズ感等、彼なりのこだわりをプラスした上で、オーダーメイドしていたようだ。彼が生涯に渡って、合計何百着とオーダーした、あのタートルネック。ジョブズにとって単なるファッション以上だったあの衣装は、きっと彼のウォークインクローゼットにずらりと並べられ、圧巻の風景を描いていたのだろう。

それはもはや、単なる「洋服の収納」ではなく、一人の人間の生き方が表現されたものに思えてならない。

ウォークインクローゼット、それは、男の生き方が表れる哲学の小部屋なのかもしれない。

 
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