27.トランクルーム

ここ数年、巷でよく「トランクルーム」の広告を見かける。広告だけではない。ちょっと郊外を歩いてみると、ずらりと並んだ貸しコンテナを見かけることもしばしばだ。

こういった収納サービスの需要というのは年々高まっているようで、矢野経済研究所によれば、国内収納サービス(レンタル収納・コンテナ収納・トランクルーム)の2013年度の市場規模は、前年度比6.6%増の521.5億円という予測が出ている。住宅事情に因るものなのか、特に首都圏では収納サービスが多く、約71世帯に1つの収納スペースがある計算になるらしい。

一般的には、どうしてもマンションは一戸建てより床面積が狭いイメージがあるから、マンションに住むと収納スペースが不足するのでは……と心配になる方もいるかもしれない。しかし少々荷物が多めでも、わざわざ外部の収納サービスを頼らないで済む方法がある。

トランクルーム付き」の高級賃貸マンションに住むという選択だ。

マンションのトランクルームは、各住居の玄関脇や、地下・別棟などの共用部分に設けられている。広さは物件によって様々だが、鍵付きのスペースなので安心して使用可能だ。

用途としては、シューズインクローゼットと同様に、ゴルフバッグや、スキー・スノボ等の季節のスポーツ用品を仕舞っておくことが多いようだ。また、スポーツ用品に限らず、クリスマスツリーや鯉のぼり、冬タイヤ等、年に一度しか使わないような物の収納にも向いている。要するに、一戸建ての物置と同じような感覚で使えるというわけだ。

敷地内にある収納スペースだから、必要になればすぐに取りにいけるし、普段は物が目につかず、邪魔に感じることもない。

捨てるに忍びない、昔の恋人からのプレゼント、別れた時に置き忘れていった荷物なんかを封じ込めておくのにも最適……かもしれない。ただし後々、新しい彼女や奥様に見つかってはならないものが見つかったとしても、筆者は何の責任も負わない。

ちなみに、トランクルームに対するニーズとして、「書斎代わりに使用したい」という男性の要望が意外と多いそうだ。読書したり、秘密の趣味に没頭したり、中にはこっそりiPS細胞やSTAP細胞に次ぐ万能細胞の研究を……という人はさすがにいないだろうが、要は、自分一人で落ち着けるスペースを確保したいということのようだ。しかし、通常のトランクルームは、書斎やSOHOとしての利用は禁じられている。マンション付属のトランクルームも、あまりそういった用途に適しているとは言えないだろう。もっとも高級賃貸マンションなら、トランクルームに逃げ込むまでもなく、くつろぎのスペースが十分にあるから、これは不要な心配だ。トランクルームから何か不都合な物が発見されて、「そんな所に隠すほど大切な物なら、あなたも一緒に入っていたら!」などと閉じ込められる事態にならなければ、何も心配いらない訳である。

トランクルーム、それは健全な男性にとっては便利な収納スペース。そして、ちょいワルな男にとっては、パンドラの箱にもなり得る秘密の空間なのである。

ご自宅の賃貸募集を検討中のオーナーさまへ

Livedoor news
当社モダンスタンダードの記事が、
Livedoor newsで配信されました。
Excite news
当社モダンスタンダードの記事が、
Excite newsで配信されました。

follow us in feedly