高級賃貸マンションのメッカともいえる東京都港区高輪、地下鉄・白金高輪駅から徒歩1分のところに、「レキシントン・スクエア白金高輪」という物件がある。
この「レキシントン(Lexington)」とは何だろうか。
アメリカ・マサチューセッツ州の郊外に位置する町レキシントンでは、4月19日を記念日・祝日として定めている。
これは1775年の同日に、アメリカ独立戦争の契機となった戦いが、このレキシントンの地で始まったからだ。
同国の思想家ラウル・ウォルド・エマーソンは「一発の銃声が世界を変えた」と謳っている。
また、この地には“インターネットの生みの親”といわれるイギリスの計算機科学者、ティム・バーナーズ=リーが居住している。彼はロバート・カイリューとともにWorld Wide Webを考案し、URL、HTTP、HTMLを最初に設計したといわれており、つまり皆さんがこのインターネットでこのページにたどり着いたのも、実はレキシントンがスタート地点だったというのは言いすぎか。
一方で言語学者エイヴラム・ノーム・チョムスキーも居を構えているようで、現在の言語学・言語論は、まずチョムスキーが提唱する「生成文法」を学ぶ必要があるとされている。言語学者にとってみれば、いわばチョムスキーがスタートなのである。
話を戻すと、マサチューセッツ州・レキシントンの銃声が独立戦争の口火を切ったことは、意外な形でアメリカ全土に波及する。
当時はバージニア植民地の野営地が、開戦の場所にちなんで「レキシントン」と名付けられ、現在はケンタッキー州第2の都市にまで成長。工業・教育ともに盛んな地域「レキシントン大都市圏」を形成するまでになった。
ここにも“お初”(fromシルシルミシル)がある。1935年に全米初の麻薬中毒患者更生施設「中毒リサーチセンター」が創設されている。
さらにレキシントンのあるケンタッキー州中央部のブルーグラス地域は、何本もの小川の源流として知られているという。
そう、レキシントンという名は、全てのルーツを意味する、といっても過言ではない。
最近「ラーメン屋の右傾化」というテーマで、ラーメン屋が漢字を多く使うことが取り上げられたことがあったが、それも自分のルーツを確かめるだけの話ではないだろうか。
流行ソングでも、かつての英語詞ブームと比較して、日本語にこだわる歌も多くなってきた。
ルーツという意味では、AKB48を卒業する前田敦子が最後の場所に選んだのは、目標であった東京ドームではなく、自分の原点である秋葉原の劇場だ。
全ての始まりは、高級デザイナーズタワーマンション、「レキシントン・スクエア白金高輪」から。