高級賃貸の世界では、タワーマンション単体の物件も多いが、その一方で、巨大な棟がいくつもまとまっているものも少なくない。これは大規模再開発地域や、駅から少し離れたところに建てられた高級マンションに見られる傾向だ。
しかし、大規模再開発地域から少し離れながらも、駅が近くて利便性が高い、巨大高級賃貸マンションが存在するとしたら……。
それが新宿区百人町にある「西戸山タワーホームズ」である。
この広大な敷地に建つ25階建ての大型分譲タワーマンションは、ノースタワー・サウスタワー・セントラルタワーの3棟から成る。総戸数は576。部屋の間取りは2LDKから3LDKが中心で、お隣には戸山公園もあり、アクセスもJR新大久保駅と高田馬場駅が徒歩圏内と、ファミリーにも便利な場所だ。
この「3棟」というところがポイントではないだろうか。
なにしろ、我々ニッポン人は「3」あるいは3の集団を表す「トリオ」が大好きなのだ。
日本神話より伝承される「三種の神器」はもとより、足利幕府には「三管領」、江戸時代の徳川幕府には「御三家」、「御三卿」と三にまつわる区分けが多く、現在の日本国憲法でも司法・立法・行政の「三権分立」が示されている。
何かルールを設ける際も「○○三原則」という形が多いし、「三大○○」という表現の例を挙げればキリがないだろう。
アイドルグループも基本的に3人が王道だ。男性アイドルの雄・ジャニーズでいえば、たのきんトリオ、シブがき隊、少年隊。女性アイドルでは中3トリオ、キャンディーズに始まり、現在の大型アイドルグループでもユニットを組む場合は3人組になったりする。
世界のナベアツが3のつく数字と3の倍数の時だけアホになっていたのは、決して偶然ではないはずだ。
男女関係のもつれ、という分野でも四角関係や五角関係という言葉は聞かない。最近でいえば塩谷瞬・富永愛・園山真希絵の「三角関係」が記憶に新しい。
ちなみに合コンでも「ベストは3vs3」と主張する人も多いようだ。でも「かけつけ三杯」は危険なのでやめよう。
もともと中国では四=死のひとつ前ということで、三は縁起の良い数字とされており、科学的にも正・副・予備の三重構成システムが最も安全性が高いとされているという。
と言いながら、結局のところ日本人にとって「3」といえば、長嶋茂雄なのだが。
「西戸山タワーホームズ」でも、3棟に囲まれた中庭は憩いの場として最適。何より、近隣住民との関わりが希薄になっていく中で、やはり日本の高度経済成長を支えた「団地感覚」は忘れてほしくない。
そんな団地が高級マンションなら安心だろう。今こそ原点回帰である。