世田谷区に住むって

東京で「高級住宅地」と呼ばれ、「高級賃貸物件」が存在する地域の中でも、世田谷区と聞けば、誰もがセレブな街だと想像することだろう。超高層マンションと高級店ばかりが並び、街には有名芸能人が溢れている……これは明らかに自分の田舎者的発想に違いない。
しかし、いざ訪れてみると、意外なほど普通の街だ。世田谷区を走る二大路線、東急線でいえば駒沢大学、桜新町、用賀。小田急線でいえば経堂、千歳船橋、祖師谷大蔵。駅前にはやけにジモティーな商店街が広がり、明らかに生活しやすい雰囲気が漂っている。
まず「世田谷区=セレブな街」というイメージを形成しているのは、二子玉川と成城学園前という二つの駅だけだ。年に1回、どこでアンケートを取っているか分からないが、いつの間にか発表されている「住みたい街ランキング」でも二子玉川は常に上位であり、成城はおそらくセレブイメージNo.1だろう。
実際、二子玉川駅や玉川高島屋では多くの有名人を見かける。駅で酔いどれの地井武男さんと遭遇した時は、その「リアルちいさんぽ」っぷりに心躍ったものだ。男としては、合コンで「世田谷区に住んでいる」と言えば掴みはOK……というのもまた、明らかにモテない自分の発想でしかない。
もともと二子玉川―成城学園前が高級住宅地となったのは、1969年11月に日本初の郊外型ショッピングセンターとして玉川高島屋がオープンしてからだ、と地元のおばあちゃんは語る。当時の二子玉川は都内でも「郊外」だったのだ。
現在はセレブ化の一方で、駅に隣接する形で「ライゼショッピングセンター」が誕生。その中身はユニクロやH&M、ダイソーに代表されるような、やけに庶民派な店舗が集中している。ショッピングの面だけで言えば申し分ない、あらゆる層の物欲を満たしてくれる街だ。でも、それだけでセレブ度日本一の地位を守れるわけではない。
そこで世田谷区を走るタクシーの運転手さんに、世田谷区の良さを聞いてみると、こんな答えが返ってきた。
「自分もいろんなところを走ってきたけど、世田谷区が一番安心して走れますね」
この原稿を書いている今も、テレビでは凶悪な犯罪が報じられている。我々が生活に求めるべきは、何より「安全」と「安心」。家族がいればなおさらのことだ。生活しやすい商店街と、巨大ショッピングセンター。そしてタクシーが安心して走れる世田谷区。この場所に立つ高級賃貸物件は、他の区域よりも高いこともありうる。しかし、男として家族のために「安全」と「安心」がお金で買えるものならば、それに越したことはない。家族を守ることは、男の大切な責任だ。
世田谷区に住むこと、結局のところそれも男の生き様なのである。

ライター 亀池聖二郎

 

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