日本の大手菓子業者のひとつ、森永製菓は我が国に多くの文化をもたらしてきた。
その最たるものはバレンタインデーだろう。「女性が男性にチョコレートを贈る」いわば女性からの愛の告白の日として定着させたのだ。
よく知られているように、海外ではこのような風習はなく、森永製菓が生みだした日本オリジナルの習慣として今日に至っている。
今でこそお菓子を購入すると懸賞に応募できる商品は数多いが、現存するお菓子の中では、同社の「チョコボール」が懸賞お菓子の最古参のひとつだ。金銀のエンゼルマークを集めて当てる、おもちゃのカンヅメは子供たちの憧れだった。
ほかにもキャラメルやチュッパチャップス、ハイチュウといったお菓子や、現在ではウィダーinゼリーのような健康・美容商品にも着手している。
そんな森永製菓が1967年から発売した「エールチョコレート」のCMは、史上に残る名セリフを生みだした。
「大きいことはいいことだ」
同年にチョコボールとチョコフレークの発売を開始した森永製菓は、菓子業者として快進撃を続けることになる。
対して不動産、マンションはどうか。
高級マンションの中には、高層タワー物件が多く、都心から離れた再開発エリアとなれば、巨大高級マンションが数多く立ち並ぶ。
それでも、これ以上「大きいことはいいことだ」と訴えかける高級物件は、そう見当たらない。
三井不動産がプロデュースする高級マンションシリーズのひとつで、地上52階建て、総戸数1476戸を誇る、超高層タワーマンションである。しかも、ペットを飼うことが可能だ。
ちなみに同地区の買い物を支える「ららぽーと豊洲」も三井グループのショッピングセンターで、同じく「アーバンドッグ」という名が冠としてつけられている。
この「アーバンドッグ」とは、豊洲の再開発地区の中でも晴海運河に面した7街区の名称。
つまり「パークシティ豊洲タワー」は「ららぽーと豊洲」と同様に、周辺地区を代表する建設物ということになるだろう。
とはいえ、ここまで説明しなくても、上記のデータはもちろんだが、実際に物件を見れば分かるはず。地上52階建てのマンションの高さはすさまじく、周りを見渡しても、東京スカイツリーしかこのマンションを見下ろすことはできないかもしれない。
大きいことはいいことだ。むしろ大きすぎてもいい。
「アーバンドッグパークシティ豊洲タワー」に住んで、デカい男になりたくはないか。