東京都港区、それは首都トーキョーに住むなら、誰もが憧れる土地。
中でも港区の青山は、上京する際には誰もが憧れる“おしゃれな街”というイメージが漂っている。
厳密にいえば「青山」という地名は存在せず、北青山と南大山に分けられていることの地域は、もともと徳川家の重臣・青山家の屋敷があったことから「青山」と呼ばれるようになった。
明治以降は住宅地として栄え、国道246号は青山通り、あるいは「ニーヨンロク」と呼ばれ、若者に愛される道に。さらにみゆき通り、骨董通り、キラー通りなど東京で最先端のファッションを象徴する区間もよく知られている。
そんな青山のド真ん中にあるといっても過言ではない高級賃貸マンションが「青山ザ・タワー」だ。
地上23階建てという高さと眺望、各設備は高級タワーマンションとしては他を凌駕するレベルにある。しかし、それだけでは「青山ザ・タワー」という、まさに青山のタワーマンションを象徴するような名前を冠し続けることはできないだろう。
この物件で最も目を引くのは、建物自体のデザインとレイアウトではないか。
全身がシルバーで横長、流線形の体型だ。正直、外から見るとなかなかマンションだとは分からない。ところが、中に入ると、スッキリとした石と木の色に包まれた内観により心が落ち着く。
設計スタッフに参加した「板倉建築事務所」の祖は、日本近代建築の礎を築いたと言われる板倉準三だ。その板倉が師事したル・コルビジュは、建築史を語る上ではずせない最重要人物。フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエと共に「近代建築の三大巨匠」と称される。
偶然にも同物件から徒歩10分のところにある“世界のHONDA”本田技研工業の基本理念は「人間尊重――自立、平等、信頼」そして「<三つの喜び>買う喜び、売る喜び、創る喜び」だ。
最寄りの地下鉄・外苑前駅までは徒歩3分。利用可能な駅も外苑前、表参道、青山一丁目の三駅。
……なぜか三繋がりだ。これだと、神宮球場も……と思われるも、なぜか神宮球場をホームグラウンドとする東京ヤクルトスワローズは、本稿執筆時点で中日とセ・リーグ同率1位だった。
それはともかくル・コルビジュの弟子・板倉準三といえば、パリ万博の日本館、岡本太郎邸(現・岡本太郎記念館)、東京文化会館(現存せず、跡地に渋谷ヒカリエが建設された)が主要作品として挙げられる。その特徴は、モダニズム=合理性と最先端のデザイン性だ。
「青山ザ・タワー」、日本建築の粋がここにある。