中央区新川、地下鉄・茅場町駅より徒歩7分の場所にある高級タワーマンション「茅場町タワーレジデンス」。モダンスタンダード公式サイトの物件紹介には、「リノベーション住戸もございます」と書かれている。
「リフォーム」という言葉と比較されるように、「リノベーション」も一般的には“改築”の一種である。
ただし、「リフォーム」は“住宅を元に戻す”改築であり、「リノベーション」とは“新しい価値を加える”改築といった考え方が一般的のようだ。
日本の住宅事情といえば、高度経済成長期あるいはバブル期にとにかく一戸建てやマンションを建てては売り・建てては売り、という行為を繰り返していた印象がある。
この方式は「スクラップ&ビルド」と言われ、今ある物件を解体し、地ならしを終えてから土地を販売、かつ新築住宅を建設するというものだ。
ところが解体と地ならしの費用が、土地代や建て売り物件の価格を引き上げていた感も否めない。
そこで平成18年に住宅基本法が改正され、簡単に言えば「今ある住居を大切にしましょう」という命が下った結果、各建築会社がリフォーム産業を活発化させた。
解体と地ならしを省き、中古住宅を購入し、それをリフォームすることで全く新しい住居に生まれ変わる……それこそがリノベーションの原点であったのではないだろうか。
この概念は、以前に記した「居抜き店舗」にも繋がってくる。元ある厨房やフロアの機材・内装などを活かすことで、新店舗にかかる費用を抑えることができる。
都内住宅事情の中では、一戸建てのリノベーション例は枚挙に暇が無ければ、集合住宅のリノベーションが進められて当然のはず。
読者の皆さんは『ASAYAN』というテレビ番組を覚えているだろうか。
小室哲哉やつんくが、オーディションの末に選んだタレント・アイドルを再生させたことでプロデューサーブームを生みだした。再生された最たる例はモーニング娘。だろう
現在でも、人気アイドルグループNMB48で山本彩が同グループのセンターとして活躍しているが、彼女は「MAD CATZ」というガールズバンドの元メンバーであり、すでにタレントとしての教育を受けていた状態で、NMBに加入したことが大きい。
その山本をプロデューサー秋元康が再生させたのである。
「茅場町タワーレジデンス」には、そんなリノベーション住戸も含まれている。
そもそもこの茅場町タワー自体が、旧・山一證券の本社ビルであったのだから驚きだ。
ちょっと他の部屋とは違う、全く新しい価値に浸ってみたい。