なぜか今回も言語の話である。
東京都中央区日本橋にある高級分譲賃貸タワーマンション「トルナーレ日本橋浜町」の“トルナーレ”とは、イタリア語で“お帰りなさい”という意味の単語だ。
これまでカッコいい単語として英語、フランス語を挙げたが、イタリア語のカッコ良さはそれらの言語に次ぐだろう。
ひと昔前、男性向けファッション誌『LEON』(主婦の友社)から、“ちょいワルオヤジ”というスタイルが大ブームを起こした。
やけに高級なブランド品を身に着け、バブル期が青春時代であった富裕層の“オヤジ”たちに向け、ファッションを越えた新たなライフスタイルを提唱したのである。
その“ちょいワル”モデルに選ばれたのが、現在もテレビで活躍するパンジェッタ・ジローラモであり、彼は毎号『LEON』の表紙を務め、世間に“ちょいワルオヤジ”の代表的なイメージを植え付けた。
結果、今もなおジローラモはオシャレな服を着こなし、オシャレな文句で女性を口説くという“ちょいワル”タレントとしてのスタイルを貫いている。
そして重要なのは、そんな“ちょいワル”スタイルのモデルとして、イタリア人男性のライフスタイルが選ばれたということなのだ。
ここで考えてみよう。40代以上……もしかしたらあらゆる世代の男が憧れている男について。
1. アル・パチーノ
2. ロバート・デニーロ
3. シルベスター・スタローン
渋い演技派から肉体派まで、映画『ゴッドファーザー』と『ロッキー』あるいは『ランボー』に憧れなかった男はいないはずだ。この3人はいずれもイタリア系アメリカ人である。
いまやハリウッドいちの演技は俳優となったレオナルド・ディカプリオもイタリア系、ブラッド・ピットやジョニー・デップらトップ俳優もイタリアに豪邸を購入したというほど、男にとっては世界的に憧れられる地、イタリア。
女性でも“カリスマ”レディー・ガガはイタリア系だったりするから、なんだかイタリアが世界で一番カッコいい気がしないでもない。
ということで、言語の話に戻ろう。
ジローラモがよく使う言葉として、“Chao!”が挙げられる。イタリア語で“バイバイ”という意味だ。
しかし “トルナーレ”という言葉を用いたことに、「トルナーレ日本橋浜町」が造られた意味が隠れている。
日本古来の街が、時代の流れに合わせて再開発に応じた末、住民たちの再開を期して“トルナーレ”=「お帰りなさい」という名称が選ばれたのだという。
誰だって、別れの言葉なんて聞きたくない。
人生を再び始める高級マンション、それが「トルナーレ日本橋浜町」なのである。