愛煙家には厳しい世の中になってきた。
世界保健機関(WTO)は世界的にタバコ規制を呼びかけ、日本国内でも都内は特に、喫煙場所がどんどん限られるように。
たばこ税は上がり、禁煙の店舗あるいは喫煙ルームがほんのわずかしかない商業ビルも増加する一方だ。
そんな日本で寂しい思いをしている愛煙家のあなたに贈る高級分譲賃貸マンションが、「コスモポリス品川」である。
なぜかといえば、この物件には「シガールーム」――要は喫煙室が設置されているからだ。
考えてみよう。
高級マンションでもファミリータイプに住むことになれば、当然同じ部屋に美人の奥さんと、カワイイ子供たちがいるはず。男として、そんな場所で喫煙してはいけない。
なにしろWTOが健康上で最も問題としているのは「副流煙」、つまりは喫煙している自分の周りにいる人たちが、その煙を吸うこと。
いわゆる「能動喫煙」より「受動喫煙」のほうが体に害を及ぼすという研究結果は、もはやたばこを語る時の定番である。
だから世のお父さん方は、次第にマンションのベランダへ追いやられていった。
夏は暑い。冬は寒い。雨はきつい。なにより寂しい。
子供がまだ小さければ、何の意識もなくベランダへ行く窓のカギを閉めてしまう。しかしご安心あれ。「コスモポリス品川」では、そうして外に出ずとも、建物の中で喫煙できるのだから。
現在は、アパートやマンションで隣に誰が住んでいるか知らない人が増えている時代。
それでもシガールームに集まるお父さんたちが顔見知りになり、気がつけばママ友達ではなくパパ友も増えていくかもしれない。
まさに男の“憩いの場”として確立されていくことだろう。
名前が「コスモポリス」だけに、かつて少年が誰しも憧れた名作『宇宙刑事ギャバン』のリバイバル作品『コスモポリス ギャバン』について語り合ってもいい。
さらに、この高級マンションは男たちにとってありがたい設備がもうひとつある。「洗車ルーム」だ。
ここは高級マンションである。
高級車は男にとって大事なステータスのひとつ。でも颯爽と乗っている姿だけでは、隣人によくないイメージを与えかねない。
ならば洗車スペースで、男たちの時間を共有したほうがいいのではないだろうか。
実は車好きの男は、洗車も好きだったりする。女性は、そんな男を好きだったりする。
しかも事務所&SOHO可というだけに、「シガーと車とオフィス」なんて意外とハードボイルドな生活を送ることも夢ではない高級分譲賃貸マンション。
「コスモポリス品川」、それは僕たちが少年時代に思い描いた国際都市である。