フリーレント-前編

モダンスタンダードが扱う高級賃貸物件の検索に、「フリーレント」という項目がある。

この「フリーレント」は、昨今の日本経済を考えるうえで重要なテーマだけに、今回は是特別版として前・後篇と2回に分けて考えてみたい。

世の中、大不況である。世知辛い話だが、こればっかりは事実なので仕方ない。

それゆえに発生する「価格破壊」。いまや自動販売機に50円のジュースがあったりする。コンビニに行けば、一人暮らしや共働き夫婦のために、100200円程度の食材が置かれているのには驚かされた。以前なら、使い切りパックはやや値が張るものだったが……。

電車の中吊り広告を見ると、ビジネス誌の外食産業特集で取り上げられているのも、マクドナルド、吉野家、サイゼリアなど激安店ばかりだ。

家電ももはや量販店で購入するのが当たり前。そんな量販店でも、何かサービスをつけないとパソコンもエアコンも携帯電話も買ってもらえない。

携帯電話といえば、iPhoneがソフトバンクのほかにauからも発売された時、ソフトバンクは購入者に新型のiPadをつけると発表する。一方でdocomoは元来の携帯電話と新型タブレットのセット販売で、通話料金まで下げるキャンペーンを展開していた。

ここまで来ると経済的にいうとデフレ状態になるそうなものだが、そうした激安店あるいは激安キャンペーンを売りにしている企業は、意外にも好業績を残し、我が国に好景気をもたらす原動力となっている。

一方で、こうした激安店に対し、高級商品を扱っていても業績を伸ばしている企業も登場してきた。その理由は様々なビジネス書で説明されているが、簡単に言うと高級商品が“なぜ高いのか”を説明し、消費者もその価値を見極めて購入するからだ。

考えてみれば、こんなことはビジネスとして当たり前の話である。ところが、もともと日本の消費者はマスメディアの扇動により、「高いものは良いもの」「安いものは悪いもの」という価値観を植えつけられてきた。某大御所料理マンガにも、「良いものは高いに決まっているんだから……」という内容のセリフが掲載されるのだから、始末に負えない。

実際「高いから買う」「安いから買わない」という、価格だけで商品の価値を決めてしまう悪しき消費者が、あなたの周囲にはいなかっただろうか。このパターンはバブル期を経験したごく一部の人間によく見られる傾向だが、そのおかげで日本の市場は長い間「安くて良いもの」が生まれる機会を失ってしまっていた。

 

そんな日本の市場経済が変わりつつある。後篇では「フリーレント」をテーマに、高級賃貸物件に関して、より具体的に考えていこう。[続く]

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