SOHO賃貸

高級賃貸物件の中に、「SOHO可マンション」というジャンルがある。

「SOHO」とは「Small Office Home Office」の頭文字をとった略称。その定義は幅広く、ITの普及により自宅兼事務所として物件を借りる個人事業主から、会社と自宅をネットで繋ぎ自宅を仕事場にする勤務形態まで含んだりする。

後者の場合は、会社で人と顔を付け合せずに業務をこなすため、コミュニケーション不足によるトラブルも発生したりするようだが、そこはSOHOだけに双方注意しなければならない。

ダジャレはオジサンの生き様である……いや、そういうことが言いたいわけじゃくて。

SOHOとしてどんな職業があるかというと、ひとつは「クリエーター」だ。

DTP(デスクトップパブリッシング※ここ、wikiとかにリンクしたほうがいいかも)が普及した今、まず書き手としては原稿を直接受け渡しすることなく、パソコンで打ち込んだ原稿をメールで送れば済む。カメラマンのデータ写真も、デザイナーのデザインデータも、宅ふぁいる便に代表されるファイル転送サイトを利用すればいい。

すると作業場としてそれほど広いスペースを借りる必要がなくなるし、そのぶん浮く時間と交通費などの経費を、作品につぎ込めるのは嬉しいかぎりである。

もうひとつSOHOの例を挙げるとすれば、「探偵」だ。大人気ゲーム『探偵 神宮寺三郎シリーズ』の主人公、神宮寺の事務所は自宅を兼ねていた。いつも事務所ソファーで寝てしまい、秘書・御苑洋子にいつも「ちゃんとベッドで寝てくださいね。疲れが取れませんから」と怒られる。

美人秘書は男の生き様……ということではない。いや、そうではあるけれども。

ただし、個人事業主も仕事場の住所を登記する必要があるのだが、同じマンションを借りるにしても「自宅」と「事務所」では家賃も違う。時に人の出入りなどのセキュリティの問題もあって、自宅用マンションを「事務所」として使おうとすると、大家さんが嫌がることだってある。それだけSOHOは難しい。

そこで、「SOHO可マンション」だ。仕事に便利な都心に存在すれば、当然のごとく高級賃貸物件である。しかし、クリエーターという職業は、仕事場が会社や事務所など自宅とは別にある場合、基本的に寝られない。食事はコンビニ弁当かカップラーメン。そこに割く時間はないからだ。売れっ子漫画家さんの生活などは、もはや人間のそれではない。

そんな作業中に、妻の食事があれば、子供たちが笑顔で「お仕事がんばってね」と励ましてくれたら――自宅は男にとって最高の仕事場となりうる。

もちろんデメリットもあるだろう。家族とずっと一緒にいることで甘えも出てきたり、人間同士だから精神的な衝突も起こるに違いない。

だが、そんなことはSOHOだけに双方注意していればいい。

SOHOは男の憧れの仕事と環境を生み出す、まさに男の生き様なのである。


ライター 亀池聖二郎

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