アパートメンツVol.5

東京建物プロデュースの高級レジデンスシリーズ「アパートメンツ」は、大田区から江東区まで東京湾沿岸を中心に展開されているビジネスだ。特に日本最大の高級住宅地域のひとつ港区には12戸もの物件を保有している。

しかし、他区はもちろん同地域でも各物件に特別な統一性はない。というのもアパートメンツのコンセプトは「ライフスタイル、ライフステージに合った個性豊かな住まいを提供する」ことであり、ロケーションに合わせた多彩なスタイルがシリーズの売りだからだ。

たとえば同じ港区白金に建設された物件でも、「アパートメンツ白金パークフロント」はやや高めのビル群の中にあり、同じ程度の高さながら日当たりを確保するためか、ガラスを多用した透明感溢れるデザインとなっている。

対して「アパートメンツ白金コローレ」は、白金駅前の再開発に伴い、低層物件が多い地域にあって赤・青・黄色と色彩豊かで目立つ物件だ。

「個性の没落」が叫ばれて久しい昨今の日本。ビジネスにおいて最も必要な要素のひとつが「個性」であることは、アイドルの世界が証明している。

日本アイドル史上、最も成功したタレント事務所といえばジャニーズを置いて他にない。これまで同事務所から輩出されたグループを振り返れば、シブがき隊、少年隊、光GENJIなど、メンバーに誰ひとりとして同じキャラクターがいないのだ。その頂点ともいえるSMAPを見れば、中居正広、木村拓哉、稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾……全員それぞれ大きな個性を持っている。

女性アイドルでいえば、もちろんAKBだ。“神の7人”と呼ばれるメンバーを見ていこう。

絶対的なトップの前田敦子、万能タイプの大島優子、女性誌のモデルを務めるオシャレ担当・篠田麻里子、ギャルに人気の板野友美、昔ながらのアイドルサイボーグ渡辺麻友、天然でもセクシーボディの小嶋陽菜、そんなメンバーをまとめる精神的支柱の高橋みなみ。そこにお嬢様→腹黒キャラの柏木由紀や、お笑いヘタレキャラの指原莉乃が成長してきているのだから、どれほど個性が大切かということが分かる。

そもそも日本の“和”とは画一化のことではなく、異種多様なものを“調和”させることだったはずだ。代表的な日本庭園のスタイルのひとつ「枯山水」は、木々の中に色のない石を並べて「海」や「川」を表現するといった具合に。

そんな日本の“和”を現代でも「アパートメンツ」という高級レジデンスで表現しうるからこそ、東京建物は明治時代からその地位を保ち続けているといえるかもしれない。

東京建物アパートメンツシリーズ、そこには男がビジネスで成功する秘訣が隠されている。